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古典を読む_【孫子】_A作戦篇_04

2014/11/22 22:32
故に敵を殺す者は、怒ればなり。
敵を殺させるような士気を上げるには、兵を激怒させるのが良い。
敵の利を取る者は、貨すればなり。
敵の資源を奪わさせるには、兵に恩賞を与えるのが良い。
車戦に車十乗以上を得れば、先づ得る者を賞して、其の旌旗を更かふ。
敵の兵車を十騎も奪った者には、恩賞を与え名誉も与える。
車は雑へて之に乗り、卒は善して之を養ふ。
奪った兵車や資源は自軍で使い、敵軍の捕虜に士官がいたら自軍で用いる。
是れを敵に勝ちて其の強を益ますと謂ふ。
これが敵軍に勝ちながら、こちらがますます強くなる道理である。


【本質】

およそ戦争というのは公共事業であって、結局のところ、経済制作行為である。
ところが、戦争というのは評判が悪く、やればやるほど国が財政難で傾くという点がある。
そのため、戦費の調達に関しては、当然、敵国の領土内での略奪や権益の確保の他に、戦場での略奪が薦めれた。
俗にいう、分捕り物である。
一番わかりやすいのが桃太郎である。鬼ヶ島の財宝を泥棒した

敵国で糧秣を略奪できれば自国で長距離輸送する必要は無いし、敵軍を吸収出来れば自国から徴兵せずに済む。
士官さえも現地調達出来るのである。
一見道理だが、敵軍もそこらへんは考えているので、焦土作戦や、スパイなどの手で対抗してくる。
資源やインフラの略奪ならともかく、敵軍を吸収というのは近代ではあまり見かけない。
もちろん、戦争が集結して占領後ならば、可能であり前例があるが(旧日本軍の御社と対共産組織の例やナチス科学者など)、戦時中にあからさまに敵軍へ寝返るのはあまり例がない。
近代以前の国境があやふやな時代の産物なのであろう。
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古典を読む_【孫子】_A作戦篇_03

2014/11/13 01:20
【原文】【現代語訳】

国の師に貧しき者は遠く輸せばなり、遠く輸さば則ち百姓貧し、
戦争事業を国が起こすと基本国は貧しくなるが、特に遠距離での戦争は被害が絶大である。

師に近き者は貴く売る、
理由は簡単で、遠距離での故国を離れた国での食料その他の物資の調達は、
(略奪が出来ない場合)足元を見られて高く買わざるを得ないからである。


貴く売らば則ち百姓、財竭く。
当然、その費用は国の税金であり、国民が重税で苦しむ。

財竭くれば則ち丘役に急なり。
あげくに、税金が払えなければ、徴兵や懲役でますます国民に負担がかかる。

力屈し財殫き、中原の内、家に虚ならば、百姓の費、十にして其の七を去る。
国民の負担は極限まで達し、国家が貧困化する。

公家の費、車を破り馬を罷らん、甲冑矢弩、戟楯蔽櫓、丘牛大車、十にして其の六を去る。
国家財政は、軍事費の負担により破綻する。

故に智将は食を敵に務む、敵に一鍾を食むは、吾が二十鍾に当たり、?稈一石、吾が二十石に当たる。
このため、頭の良い武将は、敵から略奪する。敵から略奪すれば自国の国家財政は傷まず、敵の財政は破綻し一

石二鳥である。


【本質】
孫氏の兵法が持て囃されている昨今、この箇所は実はあまり表に出ない。
理由は上記の通り、略奪推奨だからである。
近代戦でも、大陸で中国軍や日本軍はせっせと略奪している。
ナチスの略奪金塊は有名だが、日本軍や連合軍もここらへんは手を染めている。

戦争というのが公共事業であり、国家政策、経済政策の一環であるというのは、
今までの連載の中で語ってきた。
大抵の場合は、戦争というのは、お互いの外交政策ではなくて、国内政策や強大国のパワーゲームの、
余波として引き起こされるものである。

ここでは、戦争というものが、国家が窮乏するものであり、遠距離戦を忌避し、現地では略奪を説く。
石油のために戦う現代アメリカ帝国を見れば一番理解が早いであろう。

戦争というものが国家事業であるかぎり、当然、期待する「経済効果」というものが発生する。
しかし、孫子が語るように、戦争は重税を招き、民が貧困化するというのは果たして経済効果とは
言えるだろうか?
単純に、戦争反対というのは簡単である。
しかし、公共事業が悪では無いように、戦争という公共事業にも必ず、善の面がある。
出なくては、人間の歴史において、ここまで戦争が無くならない訳はない。






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