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zoom RSS 古典を読む【孫子】@計篇_02

<<   作成日時 : 2011/01/10 15:39   >>

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@計篇_02
【原文】

一に曰く道
二に曰く天
三に曰く地
四に曰く将
五に曰く法なり。
道とは、民をして上と意を同じくし、これと死すべくこれと生くべくして、危きを畏れざるなり。
天とは、陰陽・寒暑・時制なり。
地とは遠近・険易・広狭・死生なり。
将とは、智・信・仁・勇・厳なり。
法とは、曲制・官道・主用なり。
およそこの五者は、将は聞かざることなきも、これを知る者は勝ち、知らざる者は勝たず。

【現代語訳】
5つの大枠とは、@道理、A天候、B地形、C将軍、D法律の5つである。
@およそ戦争には大義名分のプロパガンダが重要である。国民全体にわたって自軍の正義や敵国の不正義が浸透してこそ、戦争に勝つことが出来る。
A天候は、朝昼夕夜、春夏秋冬、台風や雨や霧などのあらゆる天候のコンディションである。
B地形は、遠近から、進軍困難な地形、楽な地形、拾いか狭いか、危ない地形かどうかである。
C将軍は、有能さ、信用度、慈愛さ、勇敢さ、厳格さなどのスペックがある
D法制度は、刑法、行政法、民法商法などがしっかりしているか
戦争の際にはこの5つの状況をしっかりと判断しよく把握している者が勝利します。


【解説】
前回の戦争にあたっての調査事項の内容が述べられている。
孫子は有名な「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」の言葉が有名だが、その実践的部分である。
次の7計で相手と比較するのである。
当然、この分析で相手より劣っていたら、この戦争は危ないと見る。
負ける戦をするのは愚か者の行動である。
この分析をするのに必要な機関は、まず情報機関であり、その集めた情報を分析するインテリジェンス機関、
何よりその分析結果を判断する指導者もしくはスタッフの優秀さにかかっている。
負ける戦になりそうだったら、相手の靴を舐めてでも、生き延びる必要があり、逆に勝てそうだったら情け容赦なく蹂躙する。
それがこの弱肉強食の世界においての生きる術であり、生存者の資格でもある。

と、言うのが通常の解説であるが、実はここにおいても孫子の裏読みをするべきところである。
分析結果において、戦争をやめるか否かというのは実は一概には言えないのである。
戦争というのは国家の公的な事業であり、戦争も含めた総合判断は、軍事管轄を超えた領域である。
なぜならおよそ国家においては、例え負けるとわかっていても戦争を始めるケースがあり、その判断は指導者の責任である。
読者諸氏においても、リスクが高く、勝算が薄いとわかっている勝負に打って出なくてはならない時があろう。
人生において、勝負しなければならない時には勝負しなければいけない。
あらゆる英雄や成功者は、その卓越した人生において、少なからずその修羅場をくぐってきている。
凡人は、リスクの高い勝負に出ることが出来ずにいるから、失敗もしない代わりに成功もしない。
兵法を学んでも成功しない人間は策に溺れ自らのリスクを避け、勝負しない人間となることが多い。
特に、古来より孫子を読む者は、「闘わずに勝つ」ことにこだわり、結果として人生の敗残者になるケースが多い。

無論、リスクが高いということは失敗する可能性が高いということであり、その被害は特に国家においては取り返しがつかない。
が、この「負ける戦をする」というのは、歴史を見る限り以外と多く、道徳を度外視すれば意外と国家戦略としては有効である。
「損して得を取れ」というのは老子の発想だが、この「負けるが勝ち」というのも戦略においては決して読者諸氏が忘れてはならない概念である。
大国でもそうだが、特に小国にとっては、負ける戦争をするというのが実は一発逆転の勝利を生む一打となる事例がまま見受けられる。
大戦でわが国はアメリカに挑んで敗退した。しかしその後の歴史では連合国は軒並み没落。負け側であった日本とドイツは奇跡の復興をとげ、米ソに至っては世界の覇権管理のため財政赤字で疲労困憊するはめになった。
アジアでの面倒ごとを全てアメリカに押し付け、GHQの外圧を利用して、本来なら到底不可能な国内の改革を一気に断行して戦前の軍事赤字システムを消滅させた。
これは単純な従来どおりの兵法を越えたレベルの戦略であり、孫子を含む兵法の範疇ではない。
「負けるが勝ち」
この逆転した発想は、およそ世間の常識とは異なるため理解されることは難しいが、読者諸氏にはこのような大戦略があることをよく銘記していただきたい。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
>「損して得を取れ」というのは老子の発想だが、この「負けるが勝ち」というのも戦略においては決して読者諸氏が忘れてはならない概念である。

>これは単純な従来どおりの兵法を越えたレベルの戦略であり、孫子を含む兵法の範疇ではない。

裏読みするまでもなく、孫子にも「迂を以て直と為し、患を以て利と為す。」と書いてありますよ?
通りすがり
2011/01/16 23:23
通りすがり様

ご指摘ありがとうございます。
仰るとおり、該当の箇所にございますが、前後の文を見る限りでは、戦術面でのレベルでの話を孫子は想定しています。
戦争自体の勝敗において負けるという発想は、戦争屋さんの孫子を読む限りではなかなか応用が難しいとは思います。
コメントありがとうございました。
豊国枢
2011/01/17 23:30

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